そもそも乳液が果たす役割とは
化粧水の成分は、ほとんどが水分です。この水分は、化粧水で肌に浸透させても放っておくと蒸発してしまいます。そこで、乳液の出番。乳液は、化粧水の水分が蒸発するのを防ぐための膜を作りだすのです。
また、乳液の最大の役割は肌のバリア機能を改善させることです。肌が乾燥すると、肌のバリア機能は低下し、敏感肌にもなりかねません。乾燥を防ぎ、バリア機能の低下を改善させることができるのが、乳液なのです。
大人ニキビなどで悩んでいる人の多くは、実は肌の乾燥が原因です。肌が乾燥していると感じ、皮脂が過剰に分泌し、肌荒れを起こすのです。肌荒れの原因である乾燥を予防するのが乳液です。
乳液が必要となる男性の条件
乳液が必要な人の特徴
乾燥肌の人は、十分な保湿が肌に必要です。化粧水はたっぷり水分が含まれていますが、それだけでは不十分なこともあります。乳液で水分の蒸発を防ぎ、保湿もしっかりしていくことが大切です。
肌のバリア機能が低下しているため、肌が炎症を起こしていることがあります。肌が乾燥したままだと、炎症が収まることはありません。肌のバリア機能を高め、炎症を和らげる必要があります。
大人ニキビの原因は、主に肌の乾燥です。皮膚の奥が乾燥しているために、体が肌を潤そうと余分な皮脂を作り出すし、それがニキビの元になります。大人ニキビで悩んでいる人は、特に保湿に気をつけることが大切です。
隠れオイリー肌の人は、不規則な生活習慣を送っている傾向があります。食生活や睡眠の乱れると肌トラブルを引き起こします。また、バランスの崩れた食生活が原因でビタミン類が不足し、肌に充分な栄養が行き届かなくなります。肌荒れを和らげるためにも、乳液で外からの保湿は十分にしておくことが大切です。
乳液が必要でない人の特徴
もし、あなたの肌が脂性肌であれば、乳液は必要ありません。脂性肌の人は、余分な皮脂を作り出しているので、油分の含まれている乳液はさらに脂性肌を加速することになります。
しかし、脂性肌の人でも保湿ができていない人は、乳液が必要です。保湿が不十分なため、水分と油分とのバランスが崩れ、皮脂が過剰に作り出されているのです。それを防ぐためには、十分な保湿が大事です。化粧水の水分が蒸発しないように、乳液で蓋をすることがポイントです。
乳液以外のメンズスキンケア商品の種類(化粧水や美容液)とその役割
洗顔料
洗顔料は肌に付着した日々の汚れを洗い流す役割があります。男性の肌は、女性の肌よりも皮脂の分泌量が多いため、水洗顔だけでは不十分です。清潔な肌を保つためにも、洗顔料で毎日洗顔することが大切です。
化粧水
皮脂分泌の多い男性でも、肌の保湿は欠かせません。洗顔料を使った後は、必要な油分も洗い流されていることがあるので、化粧水で水分を補う必要があります。また、化粧水を使うことでその後のスキンケアの効果も高めてくれます。
美容液
メンズでも美容液は欠かせません。男性は女性のように、日焼け止めなどを塗って外出することも少ないので、紫外線を浴びた肌をいたわるためにも美容液は必須です。美白効果から保湿効果のある美容液、アンチエイジング効果までさまざまな効果があります。
オールインワン
乳液 オールインワンのメリット
オールインワンの一番のメリットは、乳液の役割も含め、化粧水や美容液も1つで済む点です。商品によっては、日焼け止めを含んだオールインワンもあるので、時間短縮におすすめです。また、化粧水から乳液まで1つで済むので、それぞれ単品で購入するよりも、安く済ませることができます。あなたが節約家ならメリットは十分にあります。
乳液 オールインワンのデメリット
反対に、オールインワンのデメリットは、スキンケア力が劣ることです。1つの商品に多くのスキンケアの効果をまとめているので、1つ1つ丁寧に化粧水から乳液までスキンケアをするよりも、その効果は下がります。また、単品の化粧水よりも保湿効果は下がります。保湿効果が必要な方は、保湿成分がたっぷりと含まれたオールインワンを選ぶことが大切です。
乳液は全部で3種類ある
保湿乳液
保湿乳液とは、定番の乳液のことで、保湿効果があります。一般的な乳液とは、保湿乳液のことだと捉えてください。
UV乳液
UV乳液とは、美白効果のある乳液のことです。美白の大敵である紫外線をカットし、肌が焼けるのを防いでくれます。さらに、UV乳液にはメラニンの生成を抑えてくれるので、シミやくすみを防ぐこともできます。
上記で述べたように、UV乳液は紫外線をカットしてくれるので、日焼け止めの役割も担っています。日焼け止めを塗る男性は少ないかもしれません。しかし、営業マンのように毎日外を出歩く仕事なら、UV乳液だけでも使用することをおすすめします。
ティント乳液
ティント乳液とは、保湿効果に化粧下地の役割を加えたものです。女性向けの乳液で、肌が荒れているときに少し肌を綺麗に見せてくれます。
乳液を選ぶ観点を知ろう
肌質に合わせた乳液の選び方
脂性肌
脂性肌の人は、皮脂が過剰分泌している傾向があります。ニキビもできやすいため、夏用のさっぱりした乳液がおすすめです。化粧水で水分をしっかり保湿し、乳液は軽くのばすくらいがちょうど良いです。
混合肌
混合肌の人は、場所によって乳液を使い分ける必要があります。皮脂が多い部分には、さっぱりした乳液を使い、乾燥している部分には油分が多いしっとりした乳液をつけるのがおすすめです。
乾燥肌
乾燥肌の人は、肌が敏感になりがちです。そのため、油分が多く含まれたアルコールフリーのものを選ぶのがおすすめです。そして何より、乾燥を防ぐことができる保湿成分が豊富な乳液を使うことが大切です。
敏感肌
敏感肌の人は、乾燥肌の人よりも肌がとてもデリケートです。そのため、低刺激な乳液を選ぶことがポイントになってきます。刺激のある乳液かどうかをみるためにも、しっかりトライアルをして、自分の肌と合うかどうかを確かめてから購入することが大切です。
自分の肌に適した乳液の成分を確認する
乳液
上記で述べたように、脂性肌の人は皮脂が過剰に分泌し、ニキビなどの炎症起こすことがあります。そんなときは、ビタミンC誘導体が配合された乳液を選びましょう。ビタミンC誘導体は、ニキビやニキビ跡の改善、さらに美白やアンチエイジングなどにも効果があります。
スキンケアで注目の保湿成分、セラミドとは
セラミドとは、肌の角質層のことで、肌のうるおいに欠かせない役割をしています。細胞の間でスポンジのような役割を果たしているため、油分や水分を保持していく力があります。そのため、肌の保湿機能をキープしていくうえでは、とても重要な角質層なのです。
アトピー性皮膚炎が発症する要因の一つに、皮膚のバリア機能が低下していることがあります。この皮膚のバリア機能に大きく関わっているのがセラミドです。セラミドが不足しているために、細胞内の水分がなくなり、肌がひどく乾燥し、アトピー性皮膚炎が発症するといわれています。
セラミドは、水分をキープする角質層です。敏感肌になる原因の一つに、セラミド不足があります。セラミド不足で肌が乾燥し、最終的には肌が敏感肌になるのです。最近では、高保湿のスキンケアとしてセラミドが配合されたものが多く売られているので、敏感肌の方は、セラミドを整えるスキンケアを使用するようにしましょう。
無理のない価格の乳液を選ぶ
どれだけ効果の高い乳液であっても、価格が高いと継続して使い続けることはできません。価格がお手頃でも、良い乳液はたくさんあります。あなたの肌と懐事情に合う乳液を選ぶことが大事です。
メンズの化粧品にこだわらず、女性向けの化粧品を使って構わない
メンズの化粧品は、メンズ用に作られた商品です。できることなら、男性の肌に合わせて作られたメンズラインを使う事をおすすめします。しかし、中にはメンズラインだと肌が敏感すぎて合わない…という人もいるはずです。そんなときは、無理してメンズラインを使わず、女性向けの化粧品に目を向けてもいいかもしれません。
メンズにおすすめの乳液
混合肌・脂性肌(オイリー肌)の方におすすめ
Aesop イソップ トゥーマインズ フェイシャル ハイドレーター

「トゥーマインズ」は、混合肌のためのスキンケアラインです。配合されているアンディローバオイルやコパイバオイルが保湿効果をもたらしてくれます。つけ心地は軽やかで、さっぱりとした仕上がりを好む男性には最適です。
乾燥肌の方におすすめ
資生堂メン モイスチャーライジングエマルジョン

ハイドロセンシングポリマーといったヒアルロン酸の2倍の保湿効果を持つ成分が含まれている保湿乳液です。つけ心地は軽やかですが、保湿効果が長持ちします。
ひげ剃り後のメンテナンスにおすすめ
KIEHL’S キールズ フェイシャル フュール モイスチャライザー フォー メン(乳液)

キールズが敏感肌用の方に開発した乳液です。オリーブの葉が肌を整え、スクワランとキールズのスキンケア商品で使われることが多いアンタークチシンが、肌をしっかりと保湿してくれます。つけ心地はしっとりしていて、伸びの良いクリームになっています。
コスパで選ぶなら間違いないおすすめ
MARKS&WEB マークスアンドウェブ ハーバルマルチクリーム

「マークスアンドウェブ」のハーバルマルチクリームは、しっとりとしたつけ心地のゲル状のクリームで、全身保湿が可能です。たっぷり80gの容量があるので、顔や全身へ遠慮なく使うことができます。性別を問わず使える、爽やかな香りも人気です。
どれが自分に最適か迷った時におすすめ
BULKHOMME バルクオム THE LOTION

「バルクオム」のローション(乳液)は、ベタつきが気になる男性向けの商品です。乳液なのにサラサラとした使用感で、しっかりと全身を保湿してくれます。メンズに強い「バルクオム」からスキンケアをスタートした、という男性も多い、人気のブランドです
オールインワンがあれば乳液は使わなくても良いのか
便利なオールインワンゲルですが、肌へ十分な水分を与え、保持するためにはやはり、化粧水+乳液のセット使いが理想です。忙しくてスキンケアを行う時間がない朝や、旅行先でのケアなどには、オールインワン製品が役立ちますが、普段のケアは一つひとつ、肌に合ったアイテムを揃えることが大切です。
忙しいメンズにおすすめのオールインワンジェル
L’OCCITANE ロクシタン セドラ フェースジェル
メンズ向けのオールインワンアイテムを購入するなら、「ロクシタン」のセドラフェースジェルがおすすめです。セドラの心地よい香りと、テカリやベタツキを抑えながら一日中続く高い保湿力で、働く男性の肌をマットに保ってくれます。
乳液の正しい使い方を知ろう
乳液を使用するタイミング・頻度
まず、乳液は洗顔後に使うのが鉄則です。綺麗になった肌に化粧水で保湿し、水分が蒸発しないように乳液で蓋をします。乾燥などが気になって洗顔をせずに使用しても、栄養が吸収されないことがあるので注意が必要です。
髭剃り後は、肌がいつもよりも敏感になっています。髭剃りをしたら、化粧水だけでなく、乳液でもしっかりと保湿することを忘れないようにしましょう。髭剃り後の肌トラブルを防ぐことができます。
夜は、お風呂に入ったときに洗顔をし、その後に化粧水と乳液をつけることをおすすめします。お風呂の蒸気で十分に汚れを洗い流し、お風呂上がりにしっかりと肌に栄養を与えることがポイントです。
朝は面倒だからと洗顔をしなかったり、保湿をおろそかにしたりとスキンケアを怠る人が多いかもしれません。しかし、洗顔とスキンケアは1日2回が基本です。寝ている間の汚れを朝一で洗い流して保湿、夜は一日の汚れを洗い流し保湿することが大切です。
乳液を使用する順番
① 洗顔後、まずは化粧水をたっぷりとつけます。その後、乳液をつけます。保湿力の高い乳液だからといって、洗顔後につけても吸収されにくい状態です。化粧水で吸収力を高め、その後に乳液をつけます。
② 髭剃り後は、カミソリなどで肌が傷ついた状態です。そのため、いつもよりも保湿はたっぷりすることが大切です。髭剃り後も、化粧水と乳液でしっかりと保湿することがポイントです。
③ 乳液などのスキンケアは、肌につけたからといって簡単には浸透していきません。洗顔後の綺麗な手で、適量の乳液を手に取り、手になじませてから顔に優しくつけます。押し込むようにして、肌に乳液をしみこませます。
乳液の使用上の注意点
乳液は、たくさんつけたからといって、その分保湿力が高まるわけではありません。乳液の量が多すぎると、反対に肌トラブルを引き起こす可能性もあります。化粧水の蓋をするくらいと考えて、適量を手に取り、乳液をつけることが大事です。
混合肌の方は、特に皮脂が多い部分と少ない部分があります。そのため、皮脂が多い部分には、乳液は少量で済ませることが大切です。乳液をつけすぎて、ニキビなどの炎症が起こらないように気をつけなければいけません。
乳液も含めて、スキンケアを肌につけるときは、「こすらない・すりこまない」が基本です。スキンケアをこすりながら肌にすりこませると、肌に負担がかかります。肌表面の層も傷める可能性があるので、決してこすらないことです。
乳液についてのQ&A
Q.乳液と美容液、クリームの順番は?
A.基本的には、化粧水⇒美容液⇒乳液⇒クリーム、の順番です。美容液によっては、順番が異なることがあるので、使用方法を確認してから使用することが大切です。
Q.クリームをつけるなら乳液は不要?
A.肌質にもよりますが、乾燥が気になる方は乳液とクリームでしっかりと保湿することをおすすめします。脂性肌の方は、クリームを塗布する必要はありません。乳液で薄く膜をつくるくらいで十分です。
Q.メンズスキンケアとして無印などの市販の乳液を使っても良いか?
A.安い商品には安い理由があるので、やはりキールズやイソップのようなオーガニックスキンケアには効果は当然劣ります。無印はオーガニックスキンケアと思われがちですが、PEG-40水添ヒマシ油といった合成界面活性剤を含んでいるため、オーガニックスキンケアとは言えません。オーガニックスキンケアかどうか判別したい場合は、COSMEBIO(フランスのエコロジカル・オーガニック化粧品協会)といったオーガニックの認証を受けているものを選ぶようにしてください。
最後のひと手間が清潔感を生み出す
あなたは、メンズだからといってスキンケアを怠っていませんか。女性よりも汗をかきやすいメンズだからこそ、日々のスキンケアはとても大切です。洗顔でしっかりとその日の汚れを落とし、化粧水で保湿をしたら、乳液で水分が蒸発しないように蓋をすることが大切です。